形成外科
形成外科とは他の診療科とは異なり、身体の部位別の科ではなく、身体表面全てを対象とする専門診療科です。
形成外科では、生まれつき、あるいはけがや病気によって体の形や色が正常と異なるものに対して、手術やその他の治療法を用いて、その働きや形・色を正常に戻すことを目的とします。
できものを摘出した後の縫合線、けがや、切り傷の縫合線、擦り傷、やけどの跡など、その状態がどんなに軽症でも気になるものです。我々形成外科医は、その時治ればいいという考えではなく、どうすれば的確に治すことができ、さらにどうすれば目立たなくできるかを同時に考えながら治療を進めていきます。
このような場合はご相談ください
- 皮膚のできもの
- やけど
- けが、ケロイド
- あざ
- 眼瞼下垂症
- 眼瞼下垂症
- 逆まつげ
- 巻き爪、陥入爪
皮膚のできもの
皮膚の下に出来る「できもの」は良性から悪性のものまで多くの種類があります。
見ただけでは悪性か良性か判断出来ない場合もありますが、一般的には悪性は固くて大きくなるスピードが早いことが多いです。
治療方法は基本的に手術による摘出ですが、症状により内服だけで治ることもあります。気になる方は一度ご相談下さい。
脂肪腫
脂肪腫とは、皮膚の下で脂肪の一部が増殖し、柔らかい膨らみができることをいいます。
通常は5cm前後の大きさが多いですが、10cmや20cm以上のものもあります。ほとんどが良性ですが、大きい脂肪腫は悪性になっている場合もありますので、CT等で詳しく検査する必要があります。手術による摘出を行います。
粉瘤(アテローム)
脂肪腫と似ていますが、脂肪ではなく、皮膚の下にできた袋状の中に、角質や皮膚の老廃物が溜まった状態が粉瘤です。
粉瘤は皮膚の浅いところにできることが多いので、ただ皮膚が膨らんでみえる脂肪腫と違い、皮膚を透かして青っぽくみえたりします。また、粉瘤は弾力が強く固いことが多いです。こちらも手術による摘出を行います。
やけど
やけどは、傷の面積と深さ、部分によって「軽症」「中等度症」「重症」に分けられます。
軽症や中等度症でもケロイド等の後遺症を起こす危険性がありますので、応急処置の方法に気を付けて、やけどをした場合はすぐに医療機関で受診されることをオススメします。
応急処置の方法
手足のやけどの場合は、水道水を出しっぱなしにして冷やします。氷等を患部あてすぎると皮膚が冷えて凍傷を起こす可能性がありますのでご注意下さい。目や耳のやけどの場合は、保冷剤や氷等を袋につつんで患部にあてます。冷やす時間は5分位で十分です。
服を着ていい部分のやけどは無理に脱がさずに、服を着たまま冷やしましょう。
また、水ぶくれができた場合は絶対に破らないようにしましょう。
けが・ケロイド
ケロイドとは傷の跡に赤い盛り上がりできた状態をいい、真性ケロイドと肥厚性瘢痕の2種類に分けられます。傷跡の赤みや盛り上がり、硬さが持続もしくは大きくなっていくのが真性ケロイドで、症状が時間経過と共に落ち着いていくのが肥厚性瘢痕です。ケロイドの原因ははっきりしていませんが、体質や遺伝によるものだと考えられています。
治療方法
症状や傷ができてからの時間によって治療方法は異なります。内服薬を服用して経過を観察することもあれば、テープやジェルシートによる圧迫療法、トリアムシノロンアセトニド注射等を行うこともあります。(※保険外治療としてレーザーによる治療を行う場合もあります)
けがや手術、やけどの後にできる傷跡は、治りが悪い場合や体質等のより目立ってしまう場合があります。また、見た目だけではなく、かゆみや引きつれを伴うこともあります。
症状により手術が必要になる場合がありますので、専門的知識を持った形成外科に早めにご相談下さい。
巻き爪
巻き爪の治療は主に、爪の先に矯正用のワイヤーを通して行っていく方法と、フェノール法を行っています。患者さま一人ひとりの症状に応じて使い分けています。
症状によっては1回の治療で改善がみられる場合もありますので、巻き爪でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
巻き爪の治療は基本的には自費による治療になりますが、フェノール法は保険で治療ができます。
根本治療
ワイヤー法
ワイヤー法とは、曲げたワイヤーが真っ直ぐに戻ろうとする力を治療して巻き爪を改善していく方法です。爪の先に穴を開けてそこにワイヤーを通し徐々に巻き爪を矯正していきます。
フェノール法
フェノール法とは、再発を繰り返してしまう巻き爪に対して、爪がくいこんでいる部分を取り除いた後に組織腐食作用を持つフェノールを爪を作る部分に塗る治療のことです。フェノールを塗ることで食い込んだ部分に爪が生えてこなくなり再発を防ぎます。炎症がひどくてワイヤーやVHO法を行えない場合に適している治療方法で、保険が適用となります。
よくあるご質問
やけどの傷跡は残りますか?
やけどの深さや広さによって異なりますが、「I度熱傷」のような浅いやけど以外は傷跡が残ってしまう場合が多くなります。しかし状態によっては傷跡を目立たなくする治療を行うことも可能ですので、一度医師に相談してみましょう。
やけどの後に入浴してもいいですか?
基本的やけどの後に入浴しても構いません。
しかし、水疱が破れているときは、水疱の中にお湯がたまってしまわないようにする必要があります。また、洗い流すことで清潔になるため、治まる可能性も高まります。
巻き爪はどの診療科に受診すればいい?
基本的には皮膚科・形成外科・整形外科などが標榜しているクリニックをお探しいただければと思います。クリニックによって費用や治療方法も異なりますので、症状に応じて一度医師に相談してみると安心かもしれません。